2022年3月のこととか

❒ 3月2日
起きた瞬間から気分が憂鬱。なんとか起き上がってストレッチ。このまま家にいては危険だと思い、出かける準備をした。少し歌ったけれど、あまり気分がノらなかった。

図書館へ。本を借りる気力が湧かなくて、返却だけした。前向きに捉えれば、自宅が積読本だらけになっているので、むしろ丁度いいのかもしれない。マクドナルドへ行って、コーラとビッグマックとポテトを頬張って元気を出そうと思ったが、店に入ることすら怠くなってしまった。適当に近所をふらふら散歩して帰宅。

夕方、また少し歌ってみる。人に聞かれている時でも「自分のために歌ってあげよう」と思って歌うと、いくらか気が楽だということが分かった。それから、寝不足なのでうたた寝でもしようと思い布団に入ったが、全く眠れない。本格的に元気がなくなってきて、なんだか少し涙が出てきた。だけど、涙が出るうちはまだ大丈夫だということを経験上知っている。ふと悲しくなったり寂しくなったりしてしまうけれど「ここはこれでいいのだ すべてさびしさと悲傷とを焚いて ひとは透明な軌道をすすむ」(宮沢賢治春と修羅』「小岩井農場」)。

夜は大したことをしていない。ひたすらダラダラ。今日は何もしなくてもいい日にした。大した額じゃないけれど、持っていた楽天ポイントを「ウクライナ人道危機 緊急支援募金」に入れてみた。2月の日記(?)も無事上げられて、3ヶ月も続いたのだから自分にしては上出来だな、と思う。たまに「読んでるよ」と言ってくれる人がいて、モチベーションになっている。

❒ 3月9日
用事があったので、ちゃんと11時頃起きた。久しぶりに長時間しっかり寝た気がする。ストレッチ。出かけて、用事を済ませてマクドナルドへ。ビッグマック、コーラ、ポテト。その後、GUへ行ってスウェットを買った。それから、図書館へ行って『どもる体』『ここは、おしまいの地』『オリーヴ・キタリッジの生活』『ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集』を借りた。たぶん全部読み切れないけれど。

電車に乗って行きつけの古着屋へ行って、シャツを2枚買う。夕方、帰ったら眠くなってきたので、少しだけうたた寝した。夕飯まで少し時間があったので、軽く運動。焼肉を食べた。久しぶりに弟に会ったら、1ヶ月くらい前にコロナに罹っていたらしい。言えよ。『東京流れ者』を観る。「頼むから俺を怒らせないでくれ」と言ってみたい。本読んで寝た。

❒ 3月10日
気が向いたので、仕事の日の一日の流れを書いてみようと思った。大体毎日同じなので。

朝起きたら、まずストレッチを20分くらいしてから出かける準備。それから、朝食を食べる。職場へは、バス30〜35分くらい→電車10分弱くらい→最後に徒歩が30分くらいあるので、少し運動になる。通勤中は音楽かPodcastを聴く。働いて、帰りは大体直帰。必要なものや足りない食材がある場合は、買って帰る。気分によっては本屋や古着屋に寄ったり、お菓子を買う。ごく稀に友人と飯や飲みに行く。今日は直帰。

帰宅後はすぐに夕飯か、その日の新聞の朝刊を読む。その後、Pitchforkを覗いて、気になる記事を流し見たり、気になる音楽を聴いてみたりする。夕飯後はダラダラ。どこかのタイミングで、大体ドラマを1話分観る。今日は『ボバ・フェット』の第1話を観た。映画は、仕事の日にはあまり観ない。風呂入って、またストレッチを20分くらいやる。その後ダラダラ。時間があったらアニメやYouTubeを見たり、本を読んだりする。寝る前は本を読んで頭を落ち着かせて、人と喋ったり喋らなかったりする。寝る。

❒ 3月12日
12時頃友人宅へ。餃子会。ひたすら餃子を食べる。少しお酒を飲む。気候のせいなのか居心地が良すぎるせいなのか、自分は昼寝してばっかりで、ほとんどの作業を任せてしまった。他は、みんなで音楽を聴いたり、楽器を弾いたり、漫画を読んだり、喋ったり。公園でギターを弾こうという予定だったけど、ひたすら部屋でダラダラしていた。18時過ぎ頃、エンジンがかかってきて「何かが始まる予感」がしだした頃に解散。

家に帰って、借りた『子供はわかってあげないをさっそく読みはじめた。ギリギリになってしまっていた書類を書いた。色々やって寝た。

❒ 3月13日
13時に吉祥寺。洞窟風の喫茶店くぐつ草へ行ってカレーを食べ、コーヒーを飲んだ。コーヒーは好きなのにコンディションが悪い時に飲むと、動悸がしたり心拍数が上がったり胃が変になったりして体調が悪くなる体質なのだけど、今日は大丈夫だった。出て井の頭公園をぶらぶら歩く。ストリートパフォーマーがたくさんいて、公園内は賑わっていた。イグアナを連れてきている人がいて、触らせてもらったらあまりにも可愛くて虜になった。イグアナがこんなに可愛いとは。

公園近くの喫茶店へ入って、ケーキと紅茶を頼んでまったりする。小さな店内だけど居心地がよくて、だいぶ長居させてもらった。またしばらく吉祥寺の街と公園を散歩する。ブランコに座ってぼーっとする。井の頭公園は暗くなってからの方が雰囲気が良くて好きだ。夕飯時になったので、焼き鳥屋に入ってお酒を飲んだ。焼き鳥屋みたいな、ちょこちょこ食べるお店の良さが昔は分からなかったが、だんだんと分かってきた。とても美味しかった。

夜、『ここは、おしまいの地』を読み終える。全ての悩める人たち(つまり、全ての人間たち)に薦められる本だと思った。ユーモアとペーソスのバランスが素晴らしいし、今の自分の生活を「何の問題もないしこれでいい」と、前向きに捉えようと思う気持ちが湧いてくる。寝る前の内省的な時間にぴったり。

❒ 3月16日
11時頃に起きて、ダラダラ。3月に入ってからまだ一度も引きこもっていないので、今日は絶対に外に出ないぞと決めた。前日から装備も整えた。ポカポカな陽気に誘われるも、固い意志を貫く。

『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』を観る。ドマッチョだけど、めちゃくちゃ面白い。いい意味での軽さもある。「どうか私を怒らせないでください」と言ってみたい。それから『刑事ジョン・ブック 目撃者』を観た。名作だった。アーミッシュの生活は興味深い。昔観た『DEVIL'S PLAYGROUND』というドキュメンタリー映画を思い出した。アーミッシュの人たちは、共同体内で禁欲的な信仰生活を送るが、成人前の一定期間だけ全てから解放されて俗世間に放たれ、酒やドラッグやパーティーなどやりたい放題やるらしい。そこで一定期間過ごした後、元の暮らしに戻るか、そのまま俗世間で暮らしていくかの選択を迫られるが、大半がアーミッシュの生活に戻っていくのだとか。

夜、軽く運動。いつも通り色々やって寝た。

❒ 3月21日
起きて、友人と収録したラジオを編集、アップロードする。突然思いついて、深夜のノリで収録したもの。あっという間にラジオパーソナリティ(気分だけは)になっていた。内容は普段のおしゃべりの延長のようなものだけど。これぐらいの適当な勢いで動けた時は気持ち良い。最初だからか反応が結構あって、これは楽しいかもと思った。

汚れていたスニーカーをクリーナーで拭いて、靴紐も洗って漂白剤に浸けた。その間に部屋の掃除。久しぶりすぎて、カブトムシの幼虫くらいのサイズの埃の塊が転がっていた。すっきり。『フレンチ・ディスパッチ』を観る。映像もセリフも情報量が多すぎてクラクラした。ウェス・アンダーソンにしかできない過剰さ。それでもいつもの「あの画面」なので、不思議と最後まで楽しく観ていられる。豪華キャストたちも個性を発揮しつつ、この映画の圧倒的なユニークさの前では、あくまで作品に奉仕せざるを得ないようになっているところ、ウェス・アンダーソンやっぱりすごい才能なのだなと思った。

漂白し終えた靴紐を乾かす。待っている間『すべてが変わった日』を観る。アメリカ映画好きの好きな要素が詰まりまくった作品で、かなり好みだった。単なる渋い現代西部劇かと思いきや、サイコスリラーみもあって、思った以上にスリリングで見応えがある。なんだかコーマック・マッカーシーの小説を読みたくなった。乾かした靴紐を通すと全体的に少し綺麗になった。ソールがもうだいぶ削れているし、中の踵部分も陥没しているので、どっちにしろ買い替え時なんだけども。

夕方、スイッチ友達が『ASTRONEER』というゲームをやろうというので、購入してダウンロード。だけど実際ゲームはやらずに、ダウンロード待機中にくだらないお喋りをしただけで解散した。軽く運動した。夕飯後、まだ時間があったので『ガントレットを観る。こんなに銃弾で家と車に穴が空く映画は初めて観た。本読んで寝た。

❒ 3月23日
今日も休み。先週から急に外出意欲が失せてきて、引きこもりモードに入っている。それが心地いい時もあったりする。適当にキムチ炒飯を作って食べた。ギターを弾いて少し歌った。それから、髪がモサモサしてきたので散髪した。毎回「めんどくせぇなあ」と思って切り始めるけど、終わるとすっきりする。

夕方、『アナザーラウンド』を観る。変な映画でとても好みだった。「アルコールは身を滅ぼす」的なありふれた教訓に落ち着くのかと思いきや、アルコールのおかげでうまくいってしまうシーンもたくさんあるし、観ていて普通にお酒が飲みたくなる。ラストも飲酒どんちゃん騒ぎで、奇妙なカタルシスがある。あと、マッツ・ミケルセンの色気がすごかった。

❒ 3月26日
引きこもって映画観ただけの日。起きてダラダラして『モーリス』を観た。美しい映画。成就した愛だけでなく、妥協と喪失にも光を当てているのが良いと思った。軽く運動。その後『ピアノ・レッスン』を観る。すごく奇妙な映画。叙情的な映像が美しい。

夜、元気がなくなる。いつもよりしっかりと読書時間をとってから寝た。

❒ 3月30日
13時頃、西荻窪へ。今年は中央線沿いに詳しくなって、文化系のシティボーイを気取るという目標がある(半分冗談)。

サジロクローブインドカレーを食べた。とてもおいしくて、無限にナンを食べられそうだった。ちょっと先まで歩いて、善福寺公園まで行くことに。道中、住宅街の中にある、ごく一般的な舗装された川の横の柵にカワセミがとまっていて驚く。人二人がやっと通れそうな狭い道だったので、真横を通ろうとしたらすぐに飛んでいってしまった。公園の池や自然の中の小川でなく、住宅街のこんな何でもない場所でカワセミに出逢うのは初めて。またしばらく歩くと、大きな木が見えてきた。近づいてみると、通称「トトロの樹」という、地域で有名な大ケヤキだった。善福寺公園に着き、歩いて一周。桜が綺麗だった。ベンチでぼーっと池を眺めたりして過ごす。好きな公園トップ3に入るかもしれない、と思うくらい良かった。どうやら、水辺との距離感が近い感じのする公園に弱いらしい。

駅まで戻る途中、ずっと行きたかった物豆奇に寄ってコーヒーを飲んだ。店内はランプと壁掛け時計が無数に飾ってある。時計はそれぞれ違う時間を刻んでいて、眺めているうちに『モモ』の「どこにもない家」を思い出した。電車乗って帰宅。