2024年3月のこととか

❒ 3月2日
昼起き。なんか悪くない調子。久しぶりに運動した。

夜、『人生タクシー』を観る。タクシー車内での会話劇という極めてミニマルな装置でイラン社会の現実を鋭く描き出している。映画製作を禁じられたことを逆手に取り、「これは映画ではない」という理屈を用いて、「これぞ映画」というべき極めて映画的な映画を撮ってしまうパナヒの鋭さに感服した。記録映像風ではあるが、挑発的なまでにきっちり"劇"映画だ。

❒ 3月3日
15時ごろ、茅場町で友人と待ち合わせ。THE BURGER SHOP doへ。滅多に行かないような場所にあるけれど、何気にお気に入りの店。余計な味付けが無く、素のバンズやパティが美味い。セットで付いてくるポテトもミニサラダも野菜ジュースも美味い。店内の雰囲気もなんかいいし、今のところ毎回空いている。メニューもどれも魅力的で迷ってしまうところも楽しい。今回は、お店おすすめのTHE SHOP BURGERというパイナップルの入ったバーガーを注文してみた。

16時過ぎ、コンビニで飲み物を買い、七針へ。ミレーの枕子とミレーの枕子バンドのライブ。枕子はいつ会っても健康的なオーラを発している。ライブを肴にお酒を3本飲んだ。出入り自由、持ち込み可なのがうれしい。終演後、物販でカセット買って軽く話して解散。夜は、ななチキだけ買って帰った。「ファミチキ」はまったく問題ないけれど「ななチキください」というのがなんとなく気恥ずかしい。

❒ 3月10日
実家で作業。亡くなった父親の遺品整理や書類関係・手続きなど諸々進める。姉夫婦も来てくれた。奥の方からワープロが出てきて、ダメ元で電源を入れてみるとなんと付いた。実用性は無いけれど、今のレトロブームの視点から見るとなんか可愛い。力を合わせたおかげで結構いろいろ進んだ。

夜、『神さま聞いてる? これが私の生きる道?!』を観る。生理や信仰選択の問題など、男性として日本に生まれ育った人間には共感しづらい個別・具体的なトピックが多く描かれているにも関わらず、かなり楽しく観ることができた。沁みた。ユーモラスで可愛らしいタッチの中に切なさがあるのがいい。

1970年代に書かれた原作を元に1970年代のアメリカを舞台としているが、現代的な話にも感じられるのは、よくも悪くも根本的な部分で大きく変化していないからだろうか。母親バーバラの物語としても良い。愛と希望と懊悩を湛えたレイチェル・マクアダムスの表情が素晴らしい。マーガレット(アビー・ライダー・フォートソン)はもちろん、他のキャラクターたちももっと見ていたいと思うほど魅力的だった。

❒ 3月18日
魔の7連勤を経てようやく休み。ここ最近は調子こそ悪くないものの、あまりにも花粉症がつらい。くしゃみ鼻水はもちろん、朝は咽頭の痛みで目が覚めてしまうことも多い。日中は目が痒すぎて頭まで痛くなることもある。年々症状が重くなってきている。薬漬けデイズ。

朝早めに起きて、役所で印鑑登録。月曜日は窓口が混んでいるという噂だったが、早い時間のためか割と空いていた。ついでに郵便局に行って銀行印も変えた(しょぼいシャチハタで登録していたため)。どっちもサクッと終わり、マックへ。ビッグマックセット。ちょっとお腹痛くなった。外は風が異常に強い。図書館へ行って借りていた本を返却。ついでのついでに、ほとんど忘れ去っていた銀行口座を覗きに行ってみると、なんと5万5000円も入っていた。ラッキー(というかうっかり)にも程がある。すべて引き出す。薬局で目薬と点鼻薬ユニクロでルームウェアを買う。どんどんお腹が痛くなってきたので帰宅。

なぜか家にいて暇そうな甥っ子ちゃんと通信でゲーム。夕方、運動した。久しぶりにスクワットしたら足がぱんぱんになった。

❒ 3月23日
母方の祖母が実家に線香をあげに来た。相変わらず元気そう。母方の叔父二人も。お昼に寿司を取ってみんなで飲んで食べた。いくつか父の遺品を渡した。

夕方、昨日Apple Storeで注文したiPhoneが届く。使っていたiPhoneがついに壊れて充電できなくなってしまったので買い替え。壊れるまで使わないと買い替えられない質。ケースとガラスフィルムも届く。型落ちの型落ちのiPhone13だが、今まで使っていたのが古(いにしえ)のあいひょんだったから、体感的には最新型だ。さっそく移行する。

夜、『アメリカン・フィクション』を観る。物語的には思ったよりドライブしていかないけれど、形骸化したポリティカル・コレクトネスやステレオタイプな見方を風刺した内容は好みでなかなか楽しめた。アートやコンテンツを取り巻く今の社会の風潮が突きつけられすこし苦い気持ちになるが、実感として現実味がある。主人公のモンクが問題だらけの人物として描かれているところもバランスが取れていていい。

❒ 3月24日
友人が誘ってくれたが、家で書類関係とかいろいろやろうと思い断ってしまった。のに結局まったくやる気が出なくて全然できず、ダラダラ過ごす。夕方、気合いで運動。

夜、『冷血』を観る。リアルで観ているうちにだんだんと気が重くなってくる。冷たいモノクロームの映像が完全に作品世界とマッチしていた。原作者のカポーティのリサーチが元にあるにも関わらず、映画化するうえでもさらに入念なリサーチを重ねたのだとか。その丁寧さや誠意が映像から伝わってくる。ベネット・ミラーの『カポーティ』を観ておくとより楽しめる。

❒ 3月29日
休み。先週は調子が良かったのに、今週はなんだか不調だった。天気が悪かったせいか花粉症疲れか。そういえば、機種変更の際にバックアップと復元をミスってLINEのトーク履歴が4年分飛んでいたことに一昨日気がついた。自業自得なのだけれど、結構落ち込んでいる。普段ならそれほど気にしないだろうが、ここ1年は父の病気と死に伴う親族との濃密なやりとりがあったし、いろんな手続きの話もたくさんしていたからたまに検索して遡っていたのに。気持ちの面でも実用の面でもロスが大きい。亡くなった父とのやりとりももちろん消えてしまった。

特別なことはせず夜までダラダラ過ごす。アニメ見たり。

❒ 3月30日
四十九日の法要。朝、実家に集まる。弟はコロナで欠席。お坊さんに来てもらい、お経をあげてもらう。昼みんなで食べて、午後は話したり飲んだり甥っ子達と遊んだり。夕方、みんな疲れて各々眠る。

夜、甥っ子姪っ子たちとジグソーパズルをしたら思いのほか難しく熱中して遅い時間になってしまった。ジグソーパズル界の事情はよく知らないけれど、作る人にとっての完成させやすさを考慮していないデザインのものも結構多くて、それがファンにとっては逆に良いのかもしれない。知らんけど。明日は仕事。アニメ2話ほど見て寝た。

4月からは人付き合いを再開して人間性を取り戻したい。