2021年12月のこととか

❒ 12月11日
午後から飯能のムーミンバレーパークへ。大きな池があって、ロケーションが良い。自然は癒されるし、テンションが上がる。入り口前にあったハンドメイドの作家さんの作品が美しくて、刺激を受けた。来年あたり自分も何か作りたいものが見つかったりしたら良いな、とふと思った。

ムーミンは大好きなので昔原作小説を全巻読み、トーベ・ヤンソンの短編集も2冊ほど読んだ。予習じゃないけど、良い機会なので来る前に『たのしいムーミン一家』を8割ほど読み返しておいた。パークのグッズのクオリティが高くて、まんまとポストカードやらしおりやらクリアファイルやらを買ってしまった。ボートに乗りたかったけど閉園時間。

同行者と周りながら色んな話をした。自分の話ばっかりしてしまった気がする。居酒屋に寄って軽く飲んで帰宅。滅多にお酒を飲まなくなったのですぐ酔ってしまう。ベトナム人?)の若い店員さんたちが、ナチュラルにめちゃくちゃ元気ですごいなと思った。日本人だけの仕事環境ではなかなか見ない光景。何が違うのだろう。

夜、日記(的なもの)を書き始めてみた。いつまで続けられるだろうか。

❒ 12月12日
何にもやる気が起きない。こりゃ映画すら観られないかもと思ったが、踏ん張って『街の上で』を観る。キャラクターたちが魅力的で良かった。下北沢という小さな街で、小さな出来事に翻弄される人々。押し付けがましい教訓もない。ただ、変なお巡りさんの存在と、そのお巡りさんのする話で「決心する」みたいな最後の方のシーンは好きになれなかった。古川琴音が一際可愛くみえた。『愛がなんだ』岸井ゆきのにも惹かれたし、自分はそういう系統に弱いのかもしれない。室内での会話劇はエリック・ロメールの作品を想起した。そういえば、今泉力哉監督がロメールについて書いたものを前に読んだなぁと思い出す。

ギターを引っ張り出してきて、少し弾いてみる。久しぶりで指が痛い。毎日弾いていた頃の自分が自分じゃないみたいで不思議に思う。

運動をしようと思っていたのに、気怠くて出来なかった。休日はどハマり中のピュレグミを爆食いしてしまう。定期的にピュレブームの波が来る。パウダーのすっぱさとグミの甘さの塩梅、肉厚の食感がたまらなくて、ついもう一個と手が伸びて止まらなくなってしまう。レモン味一択。夜、明日月曜か…と憂鬱な気持ちになる。本を読んでストレッチして寝た。

❒ 12月14日
今季一番の冷え込み。マジ寒い。職場が寒いので、防寒用のモコモコのパンツをヒートテックジーンズの上に重ねて履いているが、それでも寒い。靴下も2枚重ねた。出来ることはやった。暖房も入れているので乾燥もすごい。雨も降り始めた。冬、まぢつらい。圧倒的夏派。太陽マジLOVE。日焼け大好き。仕事に耐えるよりも寒さに耐える一日。現実逃避のため仕事の合間に冬と夏のメリット・デメリットを挙げて比べてみたが、ひょっとして冬に勝ち目などないのではと思った。あんまり職場が寒いので、普段過ごしている環境の心地良さに感謝を始めた。日々感謝。

帰って『Mother』第8話を観た。Disney+で配信している『ザ・ビートルズ:Get Back』Part 1 を観始めた。『批評理論入門:「フランケンシュタイン解剖講義』という本と、『それを、真の名で呼ぶならば』を並行して読み進めている。『フランケンシュタインは好きな小説なので、前者の本の内容は割とすんなり入ってくる。

❒ 12月15日
昼、吉祥寺へ。特に目的もなく井の頭公園を散歩して、お腹を空かせて入った韓国料理屋の石焼ビビンバが美味かった。おこげLOVE。昼間から飲むビールは至福です。食べ終わってビールを飲んでダラダラしていたら店員さんが「キムチどうぞ」とお皿を置いてくれた。親切なお店だなぁなんて感心していたが、よく見てみると机の真ん中に小さな空の皿が置かれているだけだった。「ここにはキムチの概念だけがあるんだね」なんて話したのが楽しかった。結局キムチの実体は現れず閉店時間。また行きたいお店。出てまたぶらぶら、夕方帰宅。

ザ・ビートルズ:Get Back』Part 1 を観終える。見逃していた『美しき結婚』 を観る。こんなわがままで独りよがりなキャラクターを主人公にしてしまうロメールは、やっぱりすごいなぁと思う。しかも、あくまでもチャーミングに、皮肉というより暖かく見守るような趣で捉えている。ちゃんと食べて、たまに運動をして、朝晩のストレッチを欠かさずしているが、夜更かしだけがどうしてもやめられない。寝。

❒ 12月17日
仕事で受けたどくどくの影響が抜けず、帰ってからもネガティヴな思考になってしまった。大体、日記なんか書いて何になるのだろう。「こんなことしても無駄」とか「どうせ〜」とか「自分なんか〜」とか、急に頭をもたげてくるのが厄介な悪魔君。真逆にいる天使君も冷静な判断をしてくれなかったりするので、それはそれで厄介者だったりする。

「だけどそんなことを言ったら、日記を書くことに限らず、人生におけるあらゆる行為なんて全て無駄じゃん。最後にはどうせ死ぬしね。どうせ全部無駄なら好きにすればいいのだ」と言うようなポジティヴ・ニヒル君がその間にいて、個人的にはこれくらいのゆるい思考が丁度いい。コイツがいる時間を増やしていきたい。

ザ・ビートルズ:Get Back』Part 2を観て、ドラマを観て、本を読んだ。友人とクリスマスの作戦会議をしていたら朝方になってしまった。さっきまで元気がなかったのに、ちょっと元気になった。この「〇〇しようぜ〜」と話している時間が何よりも楽しい。体によくないけど、夜更かしも楽しい。当日の予定を割ときっちり固めた。楽しみ。

❒ 12月18日
昼頃起きる。寒くてなかなか布団から出られない。外は寒いし風も強いみたいなので、終日引きこもってやると心に決める。絶対に出てあげない。布団の中でふとムーミン一家の冬眠のことを思い出す。冬眠する生物って良いなぁ。でも、1年のうちの4分の1は寝てるだけなのか。中途半端に残っていた冷凍のエビピラフとチャーハンとビビンバチャーハンを混ぜて食べた。1、2泊するのにちょうどいいバッグを弟にあげてしまったので(末っ子の物ねだりの上手さには感心する)、1ヶ月くらい前から迷っていたバッグを買った。使いやすい黒かイケイケなボタニカル柄かで迷ったが、思い切ってイケイケにする。

ピュレグミを爆食いしながら『ミッドナイト・エクスプレスを観る。見応えあった。メンタルが落ちそうだったので、簡単な筋トレをして『それから』を観る。初ホン・サンスよく分からなくて興味が湧いた。なんだかノッてきたので『カンバセーション…盗聴…』を観る。思っていた以上のド傑作。さすが『ゴッドファーザー』を撮っていた時期のコッポラの作品。説明ではなくショットと作業のディティールによって物語を紡いでいく手腕があまりに見事。硬質でエレガントなサスペンスにとどまらず、映画は次第におどろおどろしい様相を帯びて主人公ハリーの孤独な内面を掘り下げていく。そこに絡み合う華麗な音楽と盗聴した恋人たちのカンバセーション(会話)の反復も神経症的な不安感を的確に表現している。ジーン・ハックマンの"お仕事おじさん"感もたまらなく良い。

❒ 12月21日
仕事帰りに特に用もないけどマルイへ寄ってプラプラする。無印に入ったら、前から気になっていたパジャマがセール価格になっていて買おうか迷うが、しばらく考えてみて「別にいらんくね?」と思ってやめた。でも可愛いので次に見た時にまだあれば買ってしまう気がする。それから、最近できたばかりの古着と観葉植物のお店に寄ってみた。何も買っていないがシールを貰った。

今日一日かなり面倒くさい仕事をこなして疲労感でピリピリしていたが、帰ってからの気分がいつもより少しだけマシな気がした。そうか、疲れたから早く帰って早くダラダラしようといつものルートを辿るより、こういう日こそ何かスイッチが切り替わるような行動をした方が案外後を引かないのかもしれない。天啓を得た気分だった(大げさ)古着屋さんで少し人と会話をしたのも大きかったのかもしれない。帰って新聞を読んで『ホークアイ』を観て、本を読んで寝た。

❒ 12月22日
起きた。寝た。起きた。12時頃まで縦になれない。近頃休日になると、まるで呪いにかかったように動けなくなってしまうので困っている。自律神経の不調のようなものがあるのかもしれない。気合いでストレッチをして、コンタクトレンズをつけようとしたら端が欠けていた。ワンデーだし、いつもならスルーして捨てて終わりだが、なんとなく箱裏に書いてあるカスタマーサポートに電話してみたらあっさりと一箱送ってくれることになった。何も悪いことはしていないのに、お得すぎて浅ましいことをした気分(心の中「ラッキー!)。

マクドナルドへ行ってビッグマックセットを食べる。1、2年前にビッグマックにハマって以来、ビッグマックセットしか注文できない体になってしまった。刻んだピクルスの入ったビッグマック専用のソースがクセになる。その後、よく行く古着屋さんへ行って、色の落ちたデニムパンツとラルフローレンのオフホワイトっぽいチノパンを買った。かなり良い感じ。色が落ちてほんのりグレーっぽくなったブラックデニムをずっと探していた。ほぼグレーになってしまっているやつも欲しい。

家に帰って『赤ちゃん教育』を観る。豹の演技は初めて見た。ヒロインがめちゃくちゃヤバい人なのに「なぜか魅力的」な感じを併せ持っていて、演出・演技ともにすごい。30年代や40年代のスクリューボール・コメディは、もうちょい攻めてみようと思った。それから、いらないズボンが溜まってきたので10着くらい人にあげた。

❒ 12月25日
友人の家で開催するクリスマス会(?)へ向けて、午前中に3人で集まる。今まで居酒屋やファミレスでなんとなく(たまたま)祝ったりしたことはあったが、クリスマスのためにちゃんと計画を立てたり予約したりしたのは、初めてかもしれない。

とりあえず早めのランチでサイゼリアへ。安くて美味いので安心する。お酒も少しだけ飲む。食べ終わって、席に置いてあった難易度の高い間違い探しに思わずハマってしまった。3人でじっくり探しても最後の1つがなかなか見つからないので悔しくて居座ったが、結局答えを見てしまう。それから、古着屋へ行って「これ似合うんじゃない?」合戦をして、お酒やお菓子やアイスを買って友人宅へ移動。5時まで時間をつぶして、予約していたケーキとチキンを取りに行く。再び帰って予約注文していたピザ待ち。ちょっと部屋の飾り付け。ピザ来てからが本番。とにかく食べた、飲んだ。その後は、ウノをしたり、喋ったり、漫画を読んだり、テレビでやっていた映画を観たり、猫と遊んだりしてダラダラ過ごした。

漫画は友人宅にたくさんあり、3人の集まりも「又貸しサークル」みたいになっているので読み放題。『よつばと』1〜4巻と『カラオケ行こ!』と『女の園の星』1巻を読んだ。『天使なんかじゃない 完全版』1巻と『逢沢りく』上・下巻を借りて、『ラヴァーズ・キス』『ロングロングケーキ』『黄色い本』『茄子』上巻を貸した。映画はテレビで放送していた『チャーリーとチョコレート工場』と『グレムリン』を観た。チャリチョコは観直してみて、ここまでだったっけと思うほどつまらなかった。特に序盤、導入の30分程は「誰がこれで良いと思ったんだろう」と思うほどつまらない。導入部のナラティヴがうまくいっていない映画は大抵ダメだ。オチも「血縁家族は大事!」みたいな感じのどうでもいいやつ。そのフラストレーションのおかげか、うろ覚えだった『グレムリン』が最高に面白い映画に思えた。無駄にドライアイスがたかれていたり、無駄に色んな色の照明がチカチカしていたり、奇妙な音楽が使われていたりする振り切ったケレン味が楽しい。とてもファミリー向けとは思えないグロテスクさと奇妙さがある。ただ、途中までがピークで最後まで観ると少し飽きてしまう。

胃がずっとおかしかったので胃薬をチェーン。鼻水が滝のように止まらないので、廃人になる鼻炎薬もチェーン。もう人体実験のつもりで寝る前に眠剤も飲んだ。薬漬けになる。シャワーを借りて、歯磨きして、深夜就寝。お泊まり。

❒ 12月26日
何時頃かは忘れたが、みんなぬるぬる起き出す。絶対に外食できない体になってしまった人がいたので(シャワーすら行けない)、寿司屋で出前を頼む。なぜかみんな丼物。またダラダラして、午後解散。夕方頃帰宅した。なんだか抜け殻のようになってしまったので帰ってから少し寝た。夜、出前のカツ丼を頼んで、追いケーキをした。『ザ・ビートルズ:Get Back』Part 3を観始める。

短くて長い、長くて短い2日間だった。良い時間は太くて豊かなので「短い」と「長い」を同時に体感している気がする。楽しいことが終わってしまった虚脱感に襲われそうだけど、そうなればまた次の楽しいことを探せばいい。それが生きるということ。あとは年末休みまで働くだけ。『ホークアイ』観て本読んでストレッチして寝た。

❒ 12月29日
今日からしばらく休み。午前中に用事があったので、そこそこ早く起きた。相変わらずなかなか動けない。そして、なんだかここ最近肌荒れが本当にひどい。数年に一度レベルの大きな波が来ている気がする。出かけて用事を済ませて、マックへ行った。ビッグマックセットを頼んだが、ポテト品薄でSサイズしかないのでなんとなく物足りず、チキンクリスプも追加した。ついでに古着屋を2軒回ってみたけど、特に収穫なし。帰りに近所の古本屋へ寄ったらもう年末休みに入っていた。年末年始用の食べ物を買って帰った。

帰って朝刊を読んでいたらぼーっとしてきたので少し寝た。起きて「最近食べてばっかりでロクに運動してないな」と思って、危機感から軽く筋トレをした(しかも昨日、近所に住むおじいさんに「なんか太った?」と言われてしまった。体重増えてないのに!)。怠け者なので高い頻度の運動は続くわけがないため、週に1回とか2週間に1回の「たまに筋トレ」(たまきん)をできるだけ実践したい。元々体力無さすぎなのだけど、たまに運動していればだいぶマシになって日常生活がちょっとだけ楽になる。体の劇的な変化は望めないけど、メンタルにも良い気がする。負荷も回数も気にしない。

『激突!』を久しぶりに観直して『ファーザー・クリスマス』を観た。本を読んで借りた漫画を読んで寝ようと思ったが、ついついおしゃべりして4時頃寝。結局夜更かし。休みだからまぁ良し。

❒ 12月31日
起きて餅を切ったら急に年末を感じた。まだいいや、まだいいや、と思っているうちに固まって切りづらくなってしまっていた餅。それから、部屋の埃がとても見過ごしておけないレベルになっていたので、大掃除ならぬ小掃除。慎ましく暮らしているだけなのに、どうしてこんな風になるのだろう。生活していればどうしたってゴミは出るし、使っては捨て、汚れたら洗って、食べては出して、吸ってはまた吐いての繰り返しが生きるということなのだろうけど、そのサイクルを心から愛せない自分がいる。もし食べずに済むのなら何も食べずに暮らしたいし、消耗品のことも考えたくない。「面倒くさい」のレベルを超えて、時々憂鬱な気持ちすら引き起こす厄介なサイクル。

だらだら映画でも観ようと思い『ドント・ルック・アップ』『イン・ザ・ハイツ』『次郎長三国志 第五部』『御用牙』を観る。年末くらいは何か見たいなと思ってテレビを出しておいたのに結局何も見れず。蕎麦食べた。年越し。